天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 剣の稽古を終えたのに気づいたらしいジェラルドが出てくる。彼に向かい、ミリエラはタオルを差し出した。

「――パパ。これ、お弁当包みに使えないかな? お昼までひんやりしてたら傷みにくくなると思うの」

 このあたりでの昼食と言えば、パンに具材を挟んだサンドイッチが一般的である。

 薄くスライスしたパンに挟む場合もあるが、楕円形のパンに切り込みを入れ、間に挟んだものや丸パンなども使われる。

 ミリエラの家では、料理人が昼食の時間に合わせて作ってくれるからお弁当は必要ないが、庶民は籠に入れて布をかけておくことが多いらしい。

 夏の間はできるだけ涼しいところに置いておくそうだけれど、この布があればいくらかはましになるはずだ。

「すごいんだぜ、首に巻いておくとずっとひんやりしてるんだ」

「マナが切れたら、新しく足せばいいし……侯爵、これ、欲しい人はたくさんいると思うんだ。何枚かこのタオル分けてもらえないかな」

 便利なのは、ぬるくなったらマナを流せばすぐにひんやりすることだ。

 マナの量も少しでいいから、マナリングを使っている人でも問題なく冷却できる。

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