天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 実験を繰り返した結果、マナの流れる方向を一定にした方が、持続効果が高いということもわかった。そのため、四隅のうち一か所だけは淡い色がつけてある。

「サンドイッチの中身は何かしら」

「野菜サンドとハムチーズサンド、それに、ルコック鳥の焼肉サンドの三種類!」

 ルコック鳥とは、このあたりでしばしば目撃される魔物である。

 前世の動物でいうとダチョウに似ているだろうか。首が長く鋭い牙を持つ。ダチョウと違い、飛ぶこともできるが、身体が大きい分飛ぶことは好まないらしい。

 地面を疾走する速度は、全速力の馬と同じくらいであり、肉はたいそう美味である。時々、侯爵家の食卓にものぼるが、牛肉の二倍ほどの価格で取引されているようだ。

「わ、本当に冷たい!」

「この布、マナを流すとまた冷たくなりますよ」

「それは便利だなぁ。よし、二セットくれ」

「かしこまりましたぁ」

 ミリエラは、領主屋敷から出たこともなかったから、街の人達はミリエラの顔を知らない。ミリエラの様子を見て、カークもまたにこにことしている。

 ミリエラを飛び越え、店主の方に声をかける人まで現れ始めた。

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