天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 その彼の様子を見ていたら、妙なことに気がついた。

 ディートハルトの身体にも、ジェラルドやカークと同じような銀色のふわふわしたものがあるのだ。

 ディートハルトが他のふたりと違うところと言えば。

 父やカークは、マナが身体全体を包み込んでいるのに対し、ディートハルトは心臓のあたりで止まってしまっているということだろうか。

(これって、どういうことなんだろう?)

 ミリエラは、じっとディートハルトを見つめる。

 心臓のあたりに、"銀色のふわふわ"があるということは、彼はマナを持っていないというわけではないらしい。

「はは、やっぱりダメダメ」

 やはり自分には無理なのだと、ディートハルトは魔石を放り出す。毛足の長い敷物に落ちた魔石は、音もなく敷物に沈み込んだ。

「でも、ディー。ディーもふわふわしてるよ?」

「ふわふわ?」

 カークは、飽きもせず魔石にマナを注いでいる。
また、スライムの魔石を崩してしまったらしい。ちぇ、という舌打ちが、彼の方から聞こえてきた。お行儀が悪いのは困ったものである。

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