天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 強すぎず、弱すぎず、速すぎず、遅すぎず。ミリエラの眠気が、父の手の動きに合わせて大きくなっていく。

 彼との間にあったわだかまりは、もうほぼ姿を消したと思ってもいいだろうか。

 どんどん瞼が重くなってくる。父の声も、遠くから聞こえてくるものに変わっていった。

「面白そうなことをしているな」

「あれ、エリアス?」

 たしかにマットレスに横になったと思っていたのに。

 きょろきょろとあたりを見回したら、自分が宙にぷかぷかと浮いているのに気がついた。ここは、現実世界ではないらしい。

「人間の世界では夢だがな、我々の世界に魂だけ来てもらったんだ」

「なるほど」

 どうやら死後の世界ではないらしい。まずはその点にほっとした。

「それで、エリアス。どうしたの?」

「どうしたもこうしたも。そなた、なかなか我を呼び出さないではないか」

 風の精霊の王と契約したものの、マナを循環させる練習もひとりでできるようになったから、最近ほとんど呼び出していなかった。

 エリアスもエリアスで忙しいだろうと思っていたのである。

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