天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 幸せな夢は、いつか壊れてしまう――そんな予感がしてならないのは、ミリエラが心配性だからだろうか。

「そなたの夢は破れない。それは、我が保証する」

「そう? それなら、いいんだけどね」

 くすりと笑ってミリエラは、エリアスの顎に手を伸ばした。そっとエリアスの顎の下を撫でてやると、ゴロゴロという音がする。

 その音にミリエラの眠りは深くなり――今度こそ、本当に夢の世界に落ちて行った。



 * * *

 

「ねえ、パパ。ミスリルとブラックドラゴンの牙ってある?」

 昼寝から目を覚ましたミリエラが不意にそう言いだし、ジェラルドは怪訝な目を向けた。

「あるにはあるが……」

「それ、ミリィにくれない?」

「くれないって……ミリエラ、君が優秀なのはわかるが、とても貴重な素材なんだ。君に渡すわけにはいかないよ」

「むぅ。エリアスがヒントをくれたのに。ミスリルとブラックドラゴンの牙は、マナを流しやすいって」

 精霊の加護を受けているミリエラは、普通の子供ではない――だからといって、ジェラルドの娘に向ける愛情に大きな変化があるわけではないのだが。

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