天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 グローヴァー侯爵家が呪われているという噂は完璧に消せたわけではないが、それでも、侯爵家と縁続きになるのは魅力的だろう。

 そして、そこにミリエラ自身の錬金術師としての才能が加わったなら。

(どんなことをしてでも、ミリエラを欲しいと思う人間が増えるはずだ――)

 優秀な錬金術師を身内に持てば、莫大な財が転がり込んでくることになる。

 それだけではない。

 新しい技術の開発の恩恵を真っ先に受けることができる。そういう意味では、ミリエラは非常に危険な立場にあると言っても過言ではないのだ。

(アウレリア、私は――私達の娘を守るよ)

 誰ひとり寄せつけず、ひとり屋敷の中で鬱々としていたジェラルドの心の中に飛び込んできたアウレリア。彼女のことは、生涯忘れない。彼女の面差しを受け継いだ最愛の娘は、ジェラルド自身で守らなければ。

「パパ、あのご本、取ってくれる?」 

 棚の上から下ろすようミリエラが要求しているのは、錬金術師として必要な本。五歳の子供が読む絵本ではない。

 もしかして、と時々怖くなる。自分は、ミリエラを歪めてしまっているのではないか、と。
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