天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 入ったとたん、ミリエラは眉間にしわを寄せた。

(私達ふたりに会うのに、部屋が広過ぎじゃない?)

 体育館くらいありそうな広い部屋の向こう側に椅子がふたつ並んでいる。

 そこに座っているのは、王と王妃だろう。

 側仕えと言えばいいのか侍従と言えばいいのか。父と同じような衣服を身に着けた人が王と王妃の側に控えている。

 ジェラルドは無言のまま、まっすぐに敷かれている赤い絨毯の上を歩いていく。ミリエラが遅れないよう、歩幅に気をつけながら。

 ミリエラの方も、ジェラルドに合わせて進んでいった。緊張で胸のあたりが締めつけられるような気がする。鼓動が速まっているのを自覚し、喉がからからになるのを覚えた。

「――参上いたしました、陛下」

 国王の前まで進むと、ジェラルドは丁寧に一礼し、ミリエラも合わせて頭を下げる。事前に教えられていたように、頭を上げるようにと言われるまで、ずっと下げていた。

「ジェラルド。久しぶりだな――息災か」

「はい、陛下」

 横目で、ジェラルドの様子をこっそりとうかがう。

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