天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「保冷布で下着を作ったの。パーティーの時には、何曲も踊って汗をかいてしまうのだけれど、保冷布を使ったおかげで今年の夏は涼しく過ごすことができたわ」

 どうりで、グローヴァー領には保冷布で作ったハンカチだけではなく、布そのものを売ってくれという依頼が殺到したわけだ。保冷布はベースが綿だから下着の素材には適している。

 一度マナを流せば数時間は冷たさをキープするから、パーティーの間くらいは快適に過ごせるはずだ。

「それに、マナを持っていない者の治療方法を見つけたことも素晴らしい。侯爵は、よい後継者に恵まれましたね」

「はい――娘の才能を、できる限り伸ばしてやりたいと考えております」

 王妃はあくまでもにこやかだ。

(お父様が、私のことをそう考えてくれているなんてまったく思ってなかった)

 ジェラルドの言葉に、胸のあたりがぽかぽかとしてくる。

「おかげで、ディートハルトも人並みの生活を送ることができるようになった。私からも礼を言うぞ」

「とんでもございません」

 偉そうに国王が口を挟み、父はそれにもまた丁寧に一礼した。

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