天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ものすごく湿っぽい雰囲気になりそうだったので、ミリエラはその場の空気を破ることにした。ドレスのスカートをつまみ、片足を引いてお辞儀をする。

 先ほどは国王夫妻の前に出たし、以前から基本的なマナーは教わって来たから、このくらいはお手の物だ。

「まあまあまあ、ミリエラはしっかりとご挨拶ができるのね――まるで、アウレリアが子供だった頃のよう!」

「ミリィ、お母様に似てる?」

 首をかしげて問いかける。あざとい真似をしている自覚はあるが、この場をどうにかしたいだけだから、大目に見てもらいたいところだ。

「ええ、そっくりよ」

 祖母の側にとことこと歩いて行って、手を差し出す。えへっと笑って見せた。

「ミリィ、おばあ様に会えて嬉しい」

 祖母は手を出してくれなかったので、祖母にぎゅっと抱きついた。ミリエラの身体にこわごわと祖母の手が回される。強く抱きしめられ、幾度も髪を撫でられた。

 解放されたミリエラは、祖父の方に向き直る。

「おじい様にも、会えて嬉しい。抱っこしてくれる? それとも、手を繋いでくれる?」

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