天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
(そう、焦るな。ジェラルドはもうすぐここに来る)

 心の中で叫べば、エリアスの声が聞こえてくる。

『ミリィ、いたね!』

『大丈夫、もうすぐ、ジェラルドここに来るよ!』

 にゃあにゃあみゃあみゃあと言いながら、ミリエラの周囲を飛び回っているのは、翼の生えた小さな猫達だった。
 普段は見えないようにしている彼らの姿が見えるということは、マナの制御がうまくいっていないらしい。けれど、今は精霊眼を閉じない方がいいと思った。精霊達の姿が、恐怖を和らげてくれる気がする。

 ふわりと頬に触れる柔らかな毛並み。いつの間にか流れていたらしい涙をぺろりと舐める舌は、ざらざらとしていた。

『誰か来るよ、気をつけて』

 精霊猫達が、ミリエラの周囲を飛び回りながら警告の声を発する。足音が近づいてくるのに気が付き、身体を固くした。

「……おや、お目覚めかな」

 部屋の扉がかたりと開き、中に入ってきた男には、まったく見覚えはなかった。ミリエラは目を瞬かせる。

 茶色のローブに白いズボン。先ほどミリエラを担ぎ上げたのと同じ人間だろう。

(なんで、こんなことをするのよ)

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