天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「もう、いいよ。エリアス。お菓子は――カークにも食べてもらおうよ。エリアスも食べるでしょう?」

 ジャムのタルトは、カークの好物でもある。彼に分けたら喜んでくれるはずだ。そうしよう。その方がいい。

「……もう少し、もう少し待て」

 カークを呼びに行こうとしたら、エリアスが焦って止める。そんなことをしたって無駄なのに。

 ――けれど。

「……ミリエラ?」

 こわごわとかけられた声に、ミリエラの方も恐る恐る振り返る。そこに立っていたのはジェラルドだった。

 長い銀色の髪をひとつにまとめ、肩から前に垂らしている。身に着けているのは、紺の一揃い。手には、小さな包みを持っていた。

「……パパ?」

 長い長い沈黙ののち、震える声でそう問いかければ、彼は顔をくしゃくしゃにしてこくりとうなずく。

「遅れて……すまない」

 ジェラルドが来たのは、時間を三十分も過ぎてからだった。用意したお茶は、すっかり冷めてしまっている。

「ふん、人間はくだらないことにこだわるのだな」

「精霊王様――」

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