天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ジェラルドはそっと心臓に手を当てて目を伏せた。だが、それ以上は口を開こうとはしなかった。

「パパ、座って。新しくお湯を用意してもらうから」

「そこの湯を沸かせばよいのだろう? よいよい、ミリエラ。そなたが動く必要はない。我に任せておけ」

 エリアスが前足を振って合図すると、用意されていたケトルがふっと持ち上がった。その下にあるのは、魔道具である加熱器。これで、湯を沸かすのである。

「……精霊王様、あなたにそんなことをさせるわけには」

「そなたは、客人だろうが」

 ジェラルドが手を伸ばしかけたけれど、エリアスはそれを制した。見えない手によって加熱器に置かれたケトルが、しゅんしゅんと湯気を上げ始める。

 ふわり、とポットが持ち上がった。こちらもまた、誰も触っていないのに。

「うわあ!」

 ミリエラも目を丸くしたけれど、ふと気がついた。これは、エリアスの眷属がやってくれたのではないだろうか。

 エリアスに教わったように体内のマナを動かし、精霊が見えるように視界を調整する。

「わあ、可愛い。可愛いねぇ、エリアス!」

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