天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 あちらこちら見ているのは、きっと初めて精霊を見たからなのだろう。

 精霊達が、親子のカップにいれたての紅茶を注いでくれる。

 エリアスの皿にミリエラはミルクを注ぎ、ジャムタルトをひとつ、載せてやる。

「はい、どうぞ」

 それから、ジェラルドの前に、好物だという香辛料をきかせたクラッカーを滑らせる。それを見て、ジェラルドはますます目を丸くした。

「ありがとう、いただくよ――その前に、今日の主催者にお礼の品を」

「……いいの?」

 受け取った包みを開いてみると、金の台座に透明の水晶をあしらった腕輪が出てきた。日の光に透明な水晶がきらきらと輝いていて美しい。

「……あれ、でも、これ」

 ミリエラは気づいてしまった。この腕輪からは、ジェラルドのマナの気配を感じる。ということは、これは魔道具で、ただの腕輪ではないということだろうか。

「それは、君の身を守ってくれる腕輪だ。精霊王様が、側にいてくれるから必要ないとは思うが――精霊眼の持ち主となると、いろいろとややこしいことになるからね」

「ありがとう……ございます」

 嬉しい。父の贈り物だ。思わず、頬が緩む。

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