天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ミリエラの精霊眼のことは、あの場にいた人以外誰にも言っていないはずなのに、どうして彼が知っているのだろう。

 ミリエラの隣の椅子にちょこんと座り、おとなしくジャムタルトをもしゃもしゃとやっていたエリアスは、口回りについたジャムを丹念に舐めてから口を開いた。

「親には言うべきだと思ったからな。我が伝えておいた」

「もう、勝手なことをして」

 ミリエラは、エリアスの額をポンと叩いた。それを見ていたジェラルドは、申し訳なさそうに首を横に振った。

「私は、ミリエラには何も……してやれなかった……」

「そんなこと、ないよ」

 言ってしまって、いいだろうか。毎年、オーランドが二つ贈ってくれる誕生日のプレゼント。そのうち一つの贈り主がジェラルドであると気づいているということを。

「大切にするね――本当に、ありがとう……パパ」

 でも、それを口にすることはできず、代わりに腕輪を抱きしめるようにして微笑んでみせる。ジェラルドが今まで名乗らなかったのだから、ミリエラから問いかけるべきじゃない。

「――ああ」

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