天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 その言葉に喜びの色が混ざっているように思うのは、ミリエラの希望的観測が過ぎるというものだろうか。

「それはともかく、これだけでは少しばかり寂しいな。余興を見せてやろう」

 エリアスがそう言うと、周囲の空気がふわりと舞い上がった。

 優しい風がふたりの周囲をくるくると回る。いや、くるくると回っているのは、風だけではなかった。

 「きゃあっ」「楽しい?」「踊る!」ミリエラにわかるのは、切れ切れの言葉だけ。

 次に、薔薇から薔薇の精霊達が飛び出してきた。

 エリアスの力を借りて、今だけは精霊の姿を見ることもできるジェラルドもぽかんとしてしまっている。

 薔薇の精霊達の姿は、住まいとしている花の色によるのだろうか。

 赤、ピンク、黄色に白――中には、黄色とピンクがグラデーションになっているドレスを身に着けている精霊もいる。

「キャアキャア」と賑やかな声をあげていた精霊達が、ぴたりと動きを止めた。 

どこからか響いてくるのは、荘厳な音楽。

 まるで、金色の光が舞い降りてくるような、そんな神々しささえ感じる音楽に合わせて――薔薇の精霊達がくるくると回る。

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