天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 エリアスの起こした風の力を借りて、人間にはとても不可能な動きをして。薔薇の花弁が舞い散るのさえも、彼女達のダンスを引き立たせるためのものだった。

「すごい……いい香りがする、ね」

「薔薇の精霊の力だな。そなた達にダンスを見せることができて嬉しいと言っている」

 薔薇の精霊達だけでは、満足できなくなったのだろうか。

 日の光の中でちらちらと姿を見せていた光の精霊がそこに加わる。さらに、水から飛び出してきたのは、青い上着を身に着けた水の精霊達。

「パパ、見てる?」

「ああ」

 精霊達も、父を歓迎してくれている。

 少しは、喜んでくれただろうか。そっとジェラルドの方に目をやると、言葉とは裏腹に唇を引き結んだ険しい表情をしていた。

(……ごめんなさい、パパ。無理やりに呼び出してしまったりして)

 今日、ここに来るまでにジェラルドはどれだけ悩んだのだろう。それを思うと、もう呼び出してはいけないのかもしれない。

 

 父とのお茶会は、成功に終わったといっていいと思う。主に精霊達の力によるものであったけれど、少なくとも会話をかわすことができた。
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