天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 今日の授業を終えたらしいカークが、部屋に飛び込んでくる。今日は、まだ、エリアスは呼び出していなかった。

 エリアスを呼び出して、庭でマナを循環させる訓練をするのもいいかもしれない。

「エリアスも呼ぶ?」

「呼ぶ呼ぶ。あいついると面白いもんな!」

 にかっと笑ったカークは、以前、エリアスに怯えて泣いていたことなどすっかり忘れているようだ。あの時、怯えてソファの後ろに隠れたのは、今でも彼の汚点らしい。

 ミリエラを守るどころか、ミリエラに守られたとあとでこっそりニコラにささやいたそうだ。

(守ってくれるっていうその気持ちが嬉しいんだけどね)

 とはいえ、ミリエラがそれを言ってしまっては、カークの心に新たな傷を作ることになりかねない。

 こういうところで、いくぶん気を遣ってしまうのは、前世で大人だった名残なのかもしれなかった。

(パパ……うん、元気そうだったし。それさえ確認できればよかったんだ)

 薔薇園でのお茶会で顔を合わせたジェラルドは、いくぶん痩せ気味ではあるものの、不健康そうには見えなかった。

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