天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 母の死からまだ立ち直ることができず、世捨て人のような生活を送っているにしても、健康ならばそれでいい。少なくとも、もうしばらくの間は。

 それにしても、と庭に飛び出していきそうなカークのあとを追いかけながら考える。最近、以前よりも年齢に見合った言動をすることが増えてきた気がする。

 気のせいだろうか。それとも、ミリエラの中にいた誰かの記憶が、遠くに行こうとしているのだろうか。

「……ミリエラ様、お待ちになってください!」

 カークを追いかけて庭に出ようとしたところで、慌てたニコラに呼び止められた。彼女が、こんなに焦っているのは珍しい。

「カーク、今日はひとりで遊びなさい。ミリエラ様は、御用ができたから」

「わかった。またな、ミリィ」

 ミリエラを抱え上げたニコラは、そのままミリエラの部屋へと飛び込んだ。

 そこに用意されていたのは、今まで見たことのないドレスだった。白いブラウスの上に、水色のワンピースを重ねる形だ。ブラウスの襟は、何枚ものレースで飾られている。

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