天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ワンピースの方もまた、動きにくそうなものだった。淡い水色のチュールのような布でできているスカートを何枚もふわふわと重ねてある。

 そして、腰にも青いリボンを巻きつける。

 レースでできたチョーカーを首につけ、頭には花飾りのついたカチューシャ。いつもはもっと簡素な服装をしているから、こんなに華美な装いをさせられたことに驚いた。

(なんだろ、急にお客さんが来ることになった、とか……?)

 だが、生まれてから一度も、ミリエラのところに客人が来たことなんてない。いったい、どういうことなのだろう。

 不安を覚えながら、再び急ぎ足で階段を下るニコラのあとについていく。

「ねえ、ニコラ。何があったの?」

「ああ、私としたことが!」

 ニコラはばちんと自分の額を叩いた。ミリエラはますます困惑する。彼女が、こんな姿を見せたことはなかったから。

「侯爵様が、お嬢様をお呼びなのです。すぐに本館に来るように、と」

「……え?」

 今まで、本館を訪れたことは一度もなかった。声の届くところに近づかないよう、ニコラにも厳しく言い渡されていた。

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