天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 それなのに、今になって父がミリエラを呼んでいるという。喉の奥に、何かが引っかかったような気がして、足を止めてしまった。

(もし――もしも、よ)

 ここから出て行けという話だったらどうしよう。ミリエラはもういらないから、どこかの養子になれとかいう話だったら。

「オーランド、ミリエラ様をお願い」

「わかった。失礼しますよ」

 足を止めて固まってしまっていたら、オーランドがひょいとミリエラを抱え上げる。ミリエラは彼の肩にぎゅっとしがみついた。

 急な呼び出しなんて、怖い。

 一度も足を止めることなく大股に歩くオーランドは、その間ずっと口を閉じたままだった。

 オーランドを先導するニコラはずんずん進み、あっという間に本館に到着してしまった。

 ジェラルドは、本館の前に出て、ミリエラの到着を待っていた。

「オーランド、ニコラ――ミリエラを連れてきてくれてありがとう」

「お待たせいたしました、侯爵様」

 オーランドにしがみついているミリエラを見ると、ジェラルドは困ったように笑った。

(なんで、こんな顔をするんだろう)

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