天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 例外は、郵便物がのせられるであろうテーブルだけ。置かれている大きな時計も、時を刻んでいなかった。

 一応掃除はされているのだろうが、何年も人が暮らしていない家のように見える。

「すまない。日頃は、使用人もほとんど入れないものだから――」

「ミリィなら、大丈夫」

 こちらを向いて、そんな申し訳なさそうに笑わないでほしい。父の手をもう一度握りしめ、思い切って一歩踏み出した。

 ジェラルドがミリエラを連れて行ったのは、ジェラルドの書斎――というか、仕事部屋と言えばいいのだろうか。書物や書類の他にも、様々な道具が置かれた部屋だった。

 広い部屋の端には、仕事机。そして、大きなテーブル。向こう側の端には、ミリエラは見たこともない道具が並んでいて、作業台と思われる台もあった。

 それから、衝立で区切られていて、ここからは中の様子をうかがうことのできない空間もある。

 けれど、ミリエラの目はテーブルに釘づけだった。

「うわあ、ジャムタルトがある!」

 テーブルには銀の茶器でお茶の支度がされている。好物のジャムタルトの他にはバナナケーキとクッキー。

「パパ――、ありがと!」

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