Xmas Gift ~聖なる夜に~
「今日がイヴで良かった。路上でキスしても許されるよな」


 言うが早いか、菖人は顔を傾けて私にキスを落とした。
 チュ、と唇をついばんだあと、次はしっとりと。

 これ以上はダメ、と胸板を押して合図をしたが、彼は悪びれもせずにうれしそうに微笑んでいる。


「あ、さっき渡したピアス、やっぱり誕生日じゃなくてクリスマスプレゼントってことにして?」

「どうして?」

「誕生日プレゼントは買い直すよ」


 私が申し訳ない気持ちにならないように、彼はあえて軽めのプレゼントを選んだのだそうだ。
 友達ならそれでいいけれど、恋人に渡すには安価すぎると、今になって思ったみたい。


「あのピアス、かわいくて気に入ったから買い直さなくていいよ」

「でも……」

「それに、私にとっては素敵な彼氏ができたことが、一番のプレゼントだもん」


 菖人が私に告白してくれた。それ自体が最高の贈り物だと思う。

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