7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「そう。それぐらいは知っていたのね。でも、何をやっているか詳しくは知らないでしょう!?例えば化学繊維とか」
私が何も答えられないと思っているのか彼女は勝ち誇ったように見下ろす。
「化学繊維といえば洋服のイメージでしたが今は違うんですね。現在は不織布マスクや医療用ガウン、防護服など医療分野での展開に力を入れているというのは本当ですか?」
「よく知っているね。だが、今化学繊維事業で一番の問題は環境問題でね。化学繊維の原料は何か知っているかい?」
「石油ですね。環境問題というと、製造工程での二酸化炭素の排出が問題ということでしょうか?」
「そうなんだ。製造工程はもちろん製品を焼却するときにも二酸化炭素が出るからね。鉄鋼業界や自動車業界ほど多くはないが今後それが課題になる。もちろん、化学繊維事業以外でもCO₂の削減を目標として掲げている」
「素晴らしいです!環境問題は世界全体の共通課題ですね」
「そう。そうなんだよ!!例えばオーストラリアのコアラは地球温暖化が原因でーー」
豊川社長は大のコアラ好きで有名だ。
コアラの大好物であるユーカリが温暖化により二酸化炭素の濃度が濃くなることで非栄養素や毒素などの物体が増え、ユーカリから十分な栄養を摂取することができないといわれている。
社長が環境問題に真剣に取り組んでいることを知っていたからあえて化学繊維の話を持ちだし、話が環境問題に流れるようにシフトした。
「それでコアラのあくびがとにかく可愛くてね―ー」
豊川社長のコアラ愛が止まらない。
「もー、パパ!!話が長い!!もう行こう!!!」
痺れを切らしたアヤカが豊川会長の腕を引っ張り歩き出す。
「沙羅さん、またあとでゆっくりと環境についての話をしよう」
きっとまだコアラの話がし足りないんだろう。
苦笑しながら頷くと、二人の姿はすぐに人の波のに見込まれて私達の視線から消えていく。
チラリと永斗さんに視線を向けると、彼はニッと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「さすが俺のフィアンセだ。豊川会長がコアラ好きだと知っていたな?」
「はい。昨日の打ち合わせの成果が出ました」
「お前は優秀だ。俺の会社に欲しい」
「お給料次第では考えます」
「さすがだな。交渉がうまい」
思わず笑うと、永斗さんもつられて笑う。
「永斗さん、すみません。お手洗いに行きたいので少し席を外してもいいですか?」
「分かった。時間も時間だ。疲れただろう。少し休憩してくるといい」
時計の針は21時を回っていた。パーティは22時までの予定だ。
「ありがとうございます。でも、永斗さんもお疲れのはずじゃ……」
「問題ない。それにホストが休んでいるわけにもいかないしな」
永斗さんはそういうと、ゲストたちのもとへ歩み寄り言葉をかけた。
シャンパン片手に笑顔を浮かべる永斗さんの周りには大勢の人であふれている。
これが永斗さんの住む世界なのだと痛いぐらいに実感する。
さっきまでは手を伸ばせばすぐに触れられるぐらい近くにいたけど、本来ならば私が隣にいることも言葉を交わすことさえもできない人なんだ。
胸がはちきれそうになり、私は踵を返して永斗さんに背中を向けて歩き出した。
私が何も答えられないと思っているのか彼女は勝ち誇ったように見下ろす。
「化学繊維といえば洋服のイメージでしたが今は違うんですね。現在は不織布マスクや医療用ガウン、防護服など医療分野での展開に力を入れているというのは本当ですか?」
「よく知っているね。だが、今化学繊維事業で一番の問題は環境問題でね。化学繊維の原料は何か知っているかい?」
「石油ですね。環境問題というと、製造工程での二酸化炭素の排出が問題ということでしょうか?」
「そうなんだ。製造工程はもちろん製品を焼却するときにも二酸化炭素が出るからね。鉄鋼業界や自動車業界ほど多くはないが今後それが課題になる。もちろん、化学繊維事業以外でもCO₂の削減を目標として掲げている」
「素晴らしいです!環境問題は世界全体の共通課題ですね」
「そう。そうなんだよ!!例えばオーストラリアのコアラは地球温暖化が原因でーー」
豊川社長は大のコアラ好きで有名だ。
コアラの大好物であるユーカリが温暖化により二酸化炭素の濃度が濃くなることで非栄養素や毒素などの物体が増え、ユーカリから十分な栄養を摂取することができないといわれている。
社長が環境問題に真剣に取り組んでいることを知っていたからあえて化学繊維の話を持ちだし、話が環境問題に流れるようにシフトした。
「それでコアラのあくびがとにかく可愛くてね―ー」
豊川社長のコアラ愛が止まらない。
「もー、パパ!!話が長い!!もう行こう!!!」
痺れを切らしたアヤカが豊川会長の腕を引っ張り歩き出す。
「沙羅さん、またあとでゆっくりと環境についての話をしよう」
きっとまだコアラの話がし足りないんだろう。
苦笑しながら頷くと、二人の姿はすぐに人の波のに見込まれて私達の視線から消えていく。
チラリと永斗さんに視線を向けると、彼はニッと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「さすが俺のフィアンセだ。豊川会長がコアラ好きだと知っていたな?」
「はい。昨日の打ち合わせの成果が出ました」
「お前は優秀だ。俺の会社に欲しい」
「お給料次第では考えます」
「さすがだな。交渉がうまい」
思わず笑うと、永斗さんもつられて笑う。
「永斗さん、すみません。お手洗いに行きたいので少し席を外してもいいですか?」
「分かった。時間も時間だ。疲れただろう。少し休憩してくるといい」
時計の針は21時を回っていた。パーティは22時までの予定だ。
「ありがとうございます。でも、永斗さんもお疲れのはずじゃ……」
「問題ない。それにホストが休んでいるわけにもいかないしな」
永斗さんはそういうと、ゲストたちのもとへ歩み寄り言葉をかけた。
シャンパン片手に笑顔を浮かべる永斗さんの周りには大勢の人であふれている。
これが永斗さんの住む世界なのだと痛いぐらいに実感する。
さっきまでは手を伸ばせばすぐに触れられるぐらい近くにいたけど、本来ならば私が隣にいることも言葉を交わすことさえもできない人なんだ。
胸がはちきれそうになり、私は踵を返して永斗さんに背中を向けて歩き出した。