7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「沙羅、またね!永斗とお幸せに。結婚式でまた会おう!」

「ありがとうございます。お気をつけて」

最後のゲストを車まで見送り、ヘッドライトが見えなくなるまで手を振り続けた。

「終わったな。疲れだだろう?」

「終わりましたね……」

パーティは無事に成功した。

仕事関係の人たちに私のことをフィアンセだと紹介して周る永斗さんのことをお父さんはリビング全体が見渡せるソファ席に座りじっと見つめていた。

パーティ中もお父さんと何度か目が合い、そのたびに笑顔で頭を下げた。

「これから父に正式に挨拶に行く。大丈夫か?」

「はい……。これからが本番ですね」

「ああ。父さんに結婚を認めてもらわなければ全て水の泡だ」

全ては永斗さんのお父さんに私と永斗さんの結婚を認めてもらうための演技だった。

パーティで私を周りの人にフィアンセだと紹介して既成事実を作り上げる。

そして、お父さんに認めてもらう。

それが永斗さんの計画だ。

「……行こう」

永斗さんが手を差し出す。その手を掴むと「違う」と一度手を離された。

不思議に思い首を傾けると、

「こっちのほうがいい」

永斗さんは私の指に自分の指を絡めた。

大きくて温かい手のひらの熱が全身に広がり心臓が飛び跳ねた。
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