冷徹外科医と始める溺愛尽くしの政略結婚~不本意ながら、身代わりとして嫁ぎます~
「あっ……」

 次第に激しさを増す一矢さんに、右も左もわからなくなっていく。けれど、どこにもいかないようにしっかりとつないでくれた手が、ふたりの存在をたしかなものに感じさせてくれる。

「ぅん……やぁ……」

 自身の爪が彼に食い込んでいるのにも気づかないまま、ひたすら翻弄されていく。

「優、優」

 まるで切羽詰まったように繰り返し呼ぶ声に、私も必死に応える。

「いち、やさん」

 与えられる熱い口づけに、もう答えられそうにないほどとろけきってしまった。
 お腹の底から、感じたことのないなにかがせり上がってくるのを感じる。それが怖くて、一矢さんの首に自身の腕を伸ばしてしがみついた。

「あっ、ああ……」

「優、愛してる」

 極限まで膨らんだ塊りが一気に爆ぜると、同時に一矢さんも体にぐっと力を込めて動きを止めた。

 初めて感じた強烈な快感に身をまかせて体の力を抜くと、一矢さんがそのまま覆いかぶさってきた。その重みと、触れ合う素肌が心地よくて思わずすり寄ってしまう。



「大丈夫か?」

 しばらして一矢さんはそっと私から体を離すと、隣に横たわった。いつだって隙間のあったふたりだが、今は肌と肌がぴったりと触れ合ったままだ。
 気恥ずかしくて彼の顔を見られず、目の前の胸元に顔を埋めて小さく頷いた。

 まるで私を労わるように手で髪を梳いてくれるのが心地よくて、抵抗せずにされるがままでいると、一矢さんがくすくす笑うのが伝わってきた。どうしたのかを確かめたいのにやっぱり顔は上げられず、わずかに身じろいだ。

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