冷徹外科医と始める溺愛尽くしの政略結婚~不本意ながら、身代わりとして嫁ぎます~
「優」

 気づかないうちに駐車場に車を止めていた一矢さんは、私の顎を掬って顔を上げさせた。

「愛してる」

 触れるだけの口づけをして、とろけるような笑みを見せてくれる。

「君に出会えてよかった」

 素早くシートベルトを外して私を下ろすと、横に並んだ途端に腕を腰に回して、まるで抱きかかえそうな勢いでどんどん進んでいく。そのまま向かったのは自宅の寝室だ。そこまでこれば、彼がなにをしようとしているのかを察してしまう。

「い、一矢さん?」

「だめか? 俺は今すぐ優が欲しい」

 こんな熱烈な求愛を、断れるわけがない。

 早々に白旗を上げた私は、それからしばらくの間部屋から出してもらえなくなってしまった。これも、彼が私を愛してくれているがゆえだと思えば許せてしまう。

 彼となら、なんだってできる気がする。これまでだったら早々と諦めてきたものも、もう手を伸ばしていいのだと思うと、未来を想像するのが楽しくなってくる。


 とりあえず明日は一矢さんとデートに出かけたい。そんな私の願いを、彼は全力で叶えてくれるだろうと、思わず頬が緩んでしまう。
 

 この先の未来も彼の隣にいられる幸せを噛み締めながら、一矢さんの腕の中でそっと意識を手放した。







END

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