冷徹外科医と始める溺愛尽くしの政略結婚~不本意ながら、身代わりとして嫁ぎます~
「優。明後日だが、大丈夫か?」

 ひとり焦っていると、一矢さんが声をかけてきた。
 明後日は、いよいよ一矢さんの友人がやってくる日だ。昼過ぎに来る予定だから、午前中のうちにもてなしのケーキを買いに行くつもりでいる。

「は、はい。午前中に買い出しにいってきます」

「そうか。俺もついていこうか」

「へ?」

 今、なんて言ったの?
 思わず呆けた顔になってしまう。

「俺も、買い出しに付き合おうかと思ったんだが」

 なんで一矢さんが?
 これまで一緒に出かけるなんて一度だってなかったし、そもそも大した荷物にもならないだろうから、ひとりで問題ない。

「え、えっと……」

「この辺りはそれなりにわかっているから、店ぐらい案内できる」

 一体どういう風の吹き回しだろう。
 たしかに、私はこの辺りにまだまだ不慣れだ。選んだお店にしても、スーパーに行くときに見かけた洋菓子店にと思っていたが、それが良いのか悪いのかもわからないでいる。

「よく利用する洋菓子店があるんだ。もしまだなにも決めてないのなら、そこを紹介する」

思いもよらない提案に混乱しつつも、友人の好みも知っているだろう一矢さんが一緒に選んでくれるのなら心強いと、お願いすることにした。

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