冷徹外科医と始める溺愛尽くしの政略結婚~不本意ながら、身代わりとして嫁ぎます~
「本当はそのとき、噂が事実なのか他人の言葉を信じるだけでなく、俺自身が確かめるべきだったのだ。それを怠って、周りの言葉だけを信じて……君を傷つけてしまった。申し訳なかった」
再度深く頭を下げた一矢さんに焦ってしまう。
「じ、事情はわかりましたから。お願いですから顔を上げてください。本当に悪いのは、騙していた私の方ですから」
必死に諫めていると、一矢さんはやっと顔を上げてくれた。
「優に悪いことなど、なにもない」
「いいえ。もうご存じのようですが……私は、好きになった人を追いかけて家出をしてしまった陽お嬢様の代わりに、父に言われて嫁いできました。その際、本妻の子でないとはいっさい話すなと、父からきつく言われました。私たちは一矢さんを騙していたんです。私は、愛人の子でしかないのに……本当にすみませんでした」
下げた頭を上げられない。いくら一矢さんが自身に非があると思っていても、三橋側のやり方は許される話ではないはずだ。
けれど、次に聞こえてきた言葉に、思わず耳を疑って呆然とした。
「優は、三橋陽と入れ代わったことを申し訳なく思っているかもしれないが……俺としては、嫁いできたのが優でよかったと思っている」
「え?」
なにかの聞き間違いだろうか?
驚きで顔を上げれば、一矢さんはこれまで見てきた中で一番穏やかな笑みを浮かべていた。
「むしろ、俺のもとへ優を寄越した三橋社長に、感謝すらしているぐらいだ」
状況が理解できず、ひたすら首を捻るばかりだ。私が嫁いできた利点なんて、彼にあるはずがないのに。
再度深く頭を下げた一矢さんに焦ってしまう。
「じ、事情はわかりましたから。お願いですから顔を上げてください。本当に悪いのは、騙していた私の方ですから」
必死に諫めていると、一矢さんはやっと顔を上げてくれた。
「優に悪いことなど、なにもない」
「いいえ。もうご存じのようですが……私は、好きになった人を追いかけて家出をしてしまった陽お嬢様の代わりに、父に言われて嫁いできました。その際、本妻の子でないとはいっさい話すなと、父からきつく言われました。私たちは一矢さんを騙していたんです。私は、愛人の子でしかないのに……本当にすみませんでした」
下げた頭を上げられない。いくら一矢さんが自身に非があると思っていても、三橋側のやり方は許される話ではないはずだ。
けれど、次に聞こえてきた言葉に、思わず耳を疑って呆然とした。
「優は、三橋陽と入れ代わったことを申し訳なく思っているかもしれないが……俺としては、嫁いできたのが優でよかったと思っている」
「え?」
なにかの聞き間違いだろうか?
驚きで顔を上げれば、一矢さんはこれまで見てきた中で一番穏やかな笑みを浮かべていた。
「むしろ、俺のもとへ優を寄越した三橋社長に、感謝すらしているぐらいだ」
状況が理解できず、ひたすら首を捻るばかりだ。私が嫁いできた利点なんて、彼にあるはずがないのに。