Hello,僕の初恋

いつも車でごった返してる国道も、この日はわりとすいていて、予定より早めに県立病院に着いた。





四人そろって車を降り、休日入口へと向かう。

売店やカフェは土日も営業しているらしく、見舞いに来たであろう人たちがお店に出入りしている。

カフェの前を通った時、お姉さんの提案が耳に届いた。



「じゃ、私たちはカフェでお茶してるから」

「え?」

「しばらくしたら上がるからさ、ノゾムとふたりで話しておいで?」



お姉さんが、ノゾムくんと同じ優しい目を細めてそう言う。



幅広い二重まぶたは何度見てもそっくりだ。

ショウくんとミカ先輩は、いつの間にかカフェの中にいる。



私は「ありがとうございます」とお礼を言うと、エレベーターへと向かって走った。
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