Hello,僕の初恋
ノゾムくんとふたりきりで話せる時間がほしい、とミカ先輩に相談を持ちかけたのは私からだった。
けれども最初からふたりきりになれると思っていなくて、ちょっと、いや、かなり緊張してドキドキしている。
エレベーターが上昇している間、私の心拍数も上昇していた。
エレベーターの中にある鏡を覗いて、前髪を整える。
まだノゾムくんに会ってもいないのに、頬はわずかに紅潮していた。
五階へと上がり、ナースステーションに立ち寄る。
この前と違う看護師さんが対応してくれたので、今度は『平花音』と本名を書いた。
背中には大きな楽器ケース。
身長一五〇センチの私には、ベースの入ったこのケースは少し大きい。
速まる胸を押さえながら廊下を進み、ノゾムくんの病室へと向かう。
コンコン。
二階ドアをノックして、「花音です」と伝える。
中から「どうぞ」と聞こえて、私は緊張しながらドアを開けた。