Hello,僕の初恋
「えへへ、こんにちは」
「花音ちゃん。来てくれたの?」
中に入ってノゾムくんのそばに寄る。
約十日ぶりに会うノゾムくんは、まだギプスや包帯が取れていなくって、痛いんだろうなって簡単に想像できた。
「……うん。今日はね、ノゾムくんに伝えたいことがあって来たの」
ノゾムくんの目を真っ直ぐに見て、そう伝えた。
今日は、私が勇気を出す日。
それから、ノゾムくんのために私が出来ることを、精一杯やる日。
病室の窓から見える空は、青く澄みきっている。
綿のような雲がふよふよと泳ぎ、私たちを見守ってくれていた。
「ね、病室の外って出られるの?」
「あ、うん。売店や中庭に出られるようになったよ。結構好き放題やってる」
「じゃ、中庭行こ? 今日は天気もいいし、あったかいよ」
私の提案に、ノゾムくんが「うん」と頷いて、私たちは微笑み合った。
ノゾムくんの形のいい睫毛が揺れる。
その顔を見るとますます緊張してきて、身体が強張るのを感じた。