ただ1人の皇女様
まぁでも貸してもらうんだから文句は無い。



「ありがとうごじゃいましゅ...」



「いえ、とんでもございません、そして私にはどうぞ崩したお言葉遣いを、姫様は皇女様であらせられますので。」



あっ、そっか皇族が敬語なんて使ったら駄目だよね。



「わかった!しょうしゅるっ!」



「光栄でございます。それではごゆっくりお休み下さいませ。」



紅い目を細めニッコリと笑いラインハルトは部屋を出て行った。



「はぁーっ...」



ボフっ...とベッドにダイブして大きな溜息をついた。



皇城には入れたけど皇帝には歓迎されてなかったな...まぁ当たり前なんだけど、やっぱり実の親に愛されないって寂しい事なんだよね




まだ、私にはその寂しさが分からない...



日本にいた頃にも親の存在なんて知らなかったし今も知らないのと同じ。



作中のリズナリアはどんなに悲しくて寂しかったのかな...




分かってあげたいな、今は私がリズナリアなんだから...




─そうウトウトしながら考えた。

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