ただ1人の皇女様
知らないボロ部屋で過ごし、貴族に仲間入りを果たしても虐待の日々、学園に入ってもいじめは耐えなかった。



やっとの思いで友人ができ、お父様にも褒められると思っていた。



だけど裏切られた



美しい、素敵だ、期待している



この全ての言葉が偽りだった。



自分が皇族であり、陛下の子供だったけれどその陛下に父親に殺された



絶望。その一言だけが私の心に残った



私は頑張った、期待に応えようと皇女のいじめも耐えた、虐待だって耐える事が出来た。




そうすればいつか愛されると思っていたから─



ただ、愛して欲しかった。



名前を呼んで欲しかった。



抱きしめて欲しかった。



愛してると言って欲しかった。



力も地位も才能も本当は何もいらない、ただ親に愛されて平和に温もりを感じながら暮らしたかった。



それさえも叶わなかった。




多くは望まない



─もう一度やり直せるのなら、もう一度チャンスが巡ってくるのなら次は愛されたい。



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