メール婚~拝啓旦那様 私は今日も元気です~
最後の荷物を降ろし終え、腰をグーっと伸ばす。
沢山の荷物を積んできた不二子ちゃんにも、お疲れ様と声をかけた。
一人暮らしの灯里には十分すぎるお土産だ。大家さんにお饅頭を持って行ったが、お菓子以外にも食料品や洋服などがたくさんある。あれもこれもと買い与える三人に、「それはお土産とは言わないと思います」と何度止めたことか。
安西家の人たちの気前の良さは尋常じゃない。
とりあえず、荷物を整理して一息つく。コーヒーを淹れホッとするが、賑やかな数日を過ごしてきたので、一人の家が静かすぎた。
帰り際に厳太郎が「京都にも遊びに来てや」と言ってくれた。「はい!」と元気に答えたものの、おそらくもう会うことはないだろう。
本当に嘘ばっかり。灯里は自分に辟易していた。
どこかでエンマ様が見ていたら、地獄に直行なんじゃないの。
『罪状 大嘘つき』と書いた紙を、おでこにピタッと貼り付けられる場面が想像され、ブルっと震える。
エンマ様の反対側にいる人は誰なんだろう。仏様?
「仏門に入ろうかな…」
コーヒーをすすりながら、灯里は呟いた。