メール婚~拝啓旦那様 私は今日も元気です~
しばらくしてむくれた顔の晴夏と、苦笑いの今西が戻ってきた。
でも晴夏はヤマダの方を一切見ない。どうやら、ヤマダをいない者として扱うようだ。
「晴夏さんの好きなキノコのマリネがありますよ。粕汁もたくさん作ったのでお替りしてくださいね」
「…うん」
晴夏は険しい顔のままだが、灯里が作ったご飯を素直に食べた。晴夏は本当に子どものような人なのだ。喜怒哀楽が激しくて、感情がストレートに溢れ出る。食事が進むにつれて徐々に表情も和らいできたので、さらに言葉を続ける。
「夕食は持ってきてくださったお肉ですき焼きにしましょ。後で一緒に買い物に行ってくれますか?」
「うん」
今度はちゃんと笑顔で応えてくれた。
食後に『カフェ・ド・イリス』のケーキを出したとき、「ヤマダのお土産?」と言ってまた機嫌が悪くなりかけたけれど、ミルクで煮出したロイヤルミルクティーを飲んだら少し落ち着いた。
やれやれ。今日は大変な一日になりそうだ…
灯里はこれからの半日を覚悟した。