メール婚~拝啓旦那様 私は今日も元気です~
「お兄ちゃん!?なんでっ!」
「今西が、灯里はここにいるって言うから来た。おまえの態度わかりやすすぎだろ」
えー!嘘っ!と晴夏は叫んだ。
灯里は突然現れた安西を幻でもあるかのように見ていた。もう二度と会うことはないと思っていた安西がここにいる。
安西は灯里を見て辛そうに顔をキュッとしかめると、「灯里、会いたかった」と呟いた。
ゆっくり話をしてください、と静子に促され庭に出る。庭を流れる川には納涼床が設置されていて、秋の今はイスとテーブルが備え付けられている。誰にも邪魔されずに話すのにはピッタリの場所だった。
安西と対面する形で座ったが、向けられる強い視線に落ちつかない気持ちになる。
「灯里…」
呼びかけられて、思わずびくっとした。ヤマダには〝灯里ちゃん〟と呼ばれていたのだ。
「俺が安西だ。三年間、偽装結婚なんていうとんでもないことに協力してくれてありがとう。キミが会いたいと言ってくれて嬉しかった。俺もずっと会いたいと思っていたから」
安西は一息にそう言うと、ふーっと長い吐息を吐いた。