離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです
「あ、勘違いしないでほしいんだけど……オカズにするって意味じゃなくて、いや、実際するけど、でもそうじゃなくて、精神的な意味で」
切ない思いに浸る私をよそに、真紘さんがひとりで慌てだしたので思わずクスッと笑ってしまった。
なんだか前にもこんな会話をした。鍵と鍵穴の関係の話。お互い足りないところを補い合える夫婦。今はまだまだ未熟だけれど、真紘さんとなら、いつかきっとそうなれる。
「どっちの意味でも、真紘さんが何度も私を思い出してくれるなら嬉しいです」
「ありがとう。佳乃の体と心にも、俺の記憶をたくさん刻みつけてあげる」
真紘さんはそう言うと、おしゃべりをやめて一気に雄の顔になった。
せっかくだからと下着は着けたまま、執拗で激しい愛撫を繰り返す。すぐに達してしまった私の呼吸が整わないうちに、真紘さんが入ってくる。
「あぁ、ん……」
「佳乃……あぁくそ、数日で帰すなんて無理だ……っ」
シーツの上で指を絡ませて握った手に力を籠め、切なさを溶かした瞳で見つめ合う。
離れていても、心は繋がっている。日本にいる時は何度も自分に言い聞かせて耐えられたけれど、こうして会ってしまうと、もうダメだ。