離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです

 それからおよそ七ヶ月。長い長い遠距離生活の末、とうとう真紘さんが帰国する日がきた。

 日曜なので空港で出迎える約束をしていて、現在到着ロビーのベンチで彼の到着を待っているところ。隣には真紘さんの大切な友人、司波さんもいる。

「貴重なお休みに付き合わせてしまってすみません」
「いえ、興味本位でついてきただけなのでお気になさらず。アイツ、佳乃さんを見てどんな反応をするでしょうね」

 相変わらずクールかつ、真紘さんに対しては毒舌気味になる彼だけど、ついてきてくれた本当の理由は、私の体を気遣ってのことだとわかっている。

 私はくすっと笑って、大きなお腹に手を置いた。

「やっとパパに会えるね」

 そう呟いて顔を上げると、人ごみに紛れて黒いスーツケースを引く、真紘さんの姿が目に入る。

 司波さんとともに立ち上がり、駆けだしたい気持ちをこらえてゆっくり歩きだす。こちらに気づいた真紘さんもパッと笑顔になり、歩みを速めた。

 しかし、正面から向き合った彼は私の膨らんだお腹に気づくや否や、私の隣にいる司波さんを信じられないような目で見つめた。

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