たとえ9回生まれ変わっても




期末テストが終わった。

「できたー?」

「いつもよりできた気がする!」

「わたしも! 森川さんが教えてくれたおかげだよー」

井上さんと吉田さんがはしゃいでいる。

「森川さんはどうだった?」

「……うん。まあまあ、かな」

わたしは苦笑いをしながらうなずく。

正直に言うと、あまりテストに集中できなかった。

問題を解いているときも、頭の中は紫央のことでいっぱいだった。

こうしている間にも、紫央がどこかへ行ってしまうような気がした。

「クリスマス会やろーよ」

「いいね、やろやろー」

クラスのみんなが盛り上がっている。

井上さんと吉田さんも行くみたいで、話に入っている。

「森川さんも一緒に行こうよ。きっと楽しいよ」

「わたしは……」

行きたい。
クラスでのイベントなんて、いままで一度も行ったことがない。

そういうイベントは、仲のいい人たちだけでやるものだと思っていた。

誘ってもらえるのは嬉しい。
だけど、いまはーー

「わたしは、やめとくよ」

わたしは首を振った。

いまは、どうしてもそんな気分にはなれなかった。

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