LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~



「んで、そこで太陽がシュートを決めて。
同時に試合終了のホイッスルが鳴って。
1-0で勝ち。
本当に、漫画みたいだったよ」


ここは、二階にある綾知さんの部屋であり、私達の寝室。


ダブルベッドの上。


二人で、そのベッドに入ると。


何故か、今日の奥村さんの息子のサッカーの試合の話になった。


奥村さんの息子は、太陽(たいよう)という名前らしい。


「これが太陽」


ベッドで寝転びながら、綾知さんはスマホを私の顔の上の方に向けて、太陽君の画像を数枚見せてくれた。


その太陽君はユニフォーム姿で、奥村さんにソックリ。


だけど、小柄な奥村さんとは違い、背が高そう。



「こんな風に写真迄とって…。
本当に、綾知さんの子供じゃないの?」


太陽君は全く綾知さんに似ていないけど。


こんな風に、写真迄撮って。


けど、昨日この人は、自分の血を分けた子供が産まれるのは嫌だとか言っていたから、やはり違うのか。


隣の綾知さんは、もはやそれが冗談だと思ったのか、笑っている。


「今度、千花も一緒に行こう?
また来月くらいに、試合あるから。
太陽にも千花を紹介する」


「え、それは…」


嫌ではないけど、そこまで私は奥村さんとは仲良しではないし…。


「よし!千花も行こう」


「太陽君嫌がらない?
私のような知らないお姉さんが試合の応援とかに来たら」



「え?気にしないだろ?
それにお姉さんって。
千花は太陽から見たらオバサンだって」


そうケラケラと笑っていて。


え?失礼な、と思ったけど。


13歳の太陽君から見たら、私はもうオバサンなのかも…。


だったら、さらに年のいってるこの人なんてどうなるの?


「とりあえず、今日は俺も疲れたから寝るから。
千花、おやすみ」


そう優しく微笑まれて。


大嫌いなこの人に、ちょっとドキッとしてしまった。


最低な人だと分かっていても、この人の生まれ持ったような人当たりの良さに呑まれる。


今もこうやって同じ布団の中に居ても、いつものように怖いとは思わないし。


やはり、この人がよく私には分からない。


「おやすみなさい…」


そう声をかけ、私も目を閉じた。

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