LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
最悪の始まりは、次の日の朝からだった。
綾知さんよりも先に目覚めた私は、
まず、一階のリビングへと行く。
すると。
「ちょっと!いつまで寝てるの!」
そう甲高い声で怒鳴られ、
初め、まさか自分に言われているとは思わなくて。
お義母さんの方を見ると、目を吊り上げ私を見ている。
「えっと…すみません!」
眠気が一気に覚めて、慌てて謝る。
「千花さん、パジャマのままうろつかないで!
早く顔を洗って着替えて来て!」
「はい」
私はこの場から逃げるように、二階に上がった。
二階の自分の部屋へと行き、着替える。
時刻はまだ、6時。
8時迄に出社なので、実家に居た頃から起きるのはこの時間。
実家のマンションもここも、電車を使っても通勤時間が30分くらいなので、
今までと同じ時間に起きていたけど…。
そんなに怒られる程、遅い時間なのだろうか?
私は着替えて、顔を洗い歯を磨くと、
再度、リビングへと行く。
「あ、あのお義母さん、手伝いましょうか?」
先程もそうだったけど、お義母さんはリビング横のキッチンで、朝食の用意をしている。
「何言ってるの?
あなたは絶対にキッチンには入らないで!
触らないで!」
私を自分の城を襲う敵かのように攻撃的で。
すみません、と怖くて謝るしか出来ない。
「あなたは、洗濯物でも干しておいて。
二階の突き当たりの部屋がサンルームになってて、
見たらすぐに分かるでしょうから」
「分かりました」
私はまた逃げるように、その場から離れる。
脱衣室にある洗濯機。
これだけお金持ちなのに、乾燥機とかないのだろうか?と思ったけど。
洗濯機は乾燥機付きのドラム式だし。
すぐ近くに、ガス式の大きな乾燥機もある。
布団とかは干しているのかもしれないけど。
普段、洗濯物は乾燥機を使ってるんじゃ…と思うと。
もしかしたら、これは嫌がらせなのだろうか?と気付いた。