LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
その洗濯物が終わると、
玄関の扉の前の掃き掃除を命じられた。
まだ大丈夫だけど、これから先段々と寒くなるから、朝もこうやって外で掃除とか辛そうだな。
それを終え、リビングに行くと。
綾知さんとお義父さんも起きていて。
二人とも、きっちりともうスーツに着替えている。
ただ、二人とも上着は着ず、まだネクタイも締めていないけど。
二人はダイニングテーブルに座り、朝食を食べていた。
朝食は焼き魚や煮物。
野菜たっぷりの味噌汁。
それを目にしたら、お腹が空いた。
「千花、早く食べないと間に合わないんじゃない?」
綾知さんにそう言われ、あ、そうか、と思うが。
ダイニングテーブルには、私のご飯は用意されていなくて。
「綾知、千花さんはもう朝ご飯は食べたわよ?
あなたがいつ迄も寝てるから」
うふふ、と先程とは違い、柔らかい笑顔でお義母さんは笑っている。
「そうなの?」
そう綾知さんに訊かれ。
食べてない、なんて言えなくて。
「うん。
早く支度しないと間に合わない」
なんだか、その場にいたくなくて、
さっさとリビングから出た。
その後、洗面室の鏡で化粧をすると、もう遅刻しそうな時間で、
私は急いでこの家から出た。