LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

その洗濯物が終わると、
玄関の扉の前の掃き掃除を命じられた。


まだ大丈夫だけど、これから先段々と寒くなるから、朝もこうやって外で掃除とか辛そうだな。



それを終え、リビングに行くと。


綾知さんとお義父さんも起きていて。

二人とも、きっちりともうスーツに着替えている。


ただ、二人とも上着は着ず、まだネクタイも締めていないけど。



二人はダイニングテーブルに座り、朝食を食べていた。


朝食は焼き魚や煮物。


野菜たっぷりの味噌汁。


それを目にしたら、お腹が空いた。



「千花、早く食べないと間に合わないんじゃない?」


綾知さんにそう言われ、あ、そうか、と思うが。


ダイニングテーブルには、私のご飯は用意されていなくて。


「綾知、千花さんはもう朝ご飯は食べたわよ?
あなたがいつ迄も寝てるから」


うふふ、と先程とは違い、柔らかい笑顔でお義母さんは笑っている。


「そうなの?」


そう綾知さんに訊かれ。


食べてない、なんて言えなくて。


「うん。
早く支度しないと間に合わない」


なんだか、その場にいたくなくて、
さっさとリビングから出た。


その後、洗面室の鏡で化粧をすると、もう遅刻しそうな時間で、
私は急いでこの家から出た。


< 57 / 148 >

この作品をシェア

pagetop