私の愛は···幻

🎹香水


昨夜、健人さんは帰らなかった。
ラインが簡単に
《 帰れなくてごめん。》
と、だけ。

私は、気になりながらも
家事を済ませて
ピアノ教室へ行き
夕飯の準備をする。

だがその日、23時になっても
健人さんは帰らず。

私は、健人さんの食事にラップをして
ベッドに入る。

翌朝は、健人さんに抱きしめられて
寝ていたから
少しほっとするが。

健人さんは、朝食をとると
直ぐに会社に向かった。
「しばらく、遅くなるから。
天音は、仕事もあるし
早く寝てなさい。
食事は、早く帰れそうなら
連絡をするから。」
と、言われた。

仕事の内容を聞いても
わからないけど
何が起こっているのかも
聞かされる事もなかった。

健人さんのスーツを
クリーニングの袋に入れる時に
スーツから香水の匂いがした
なぜ?
健人さんの会社は
個人秘書はいなくて
総合秘書課があり
そちらの中で全て把握されている。
秘書課の中には
女性の方もいるらしいが
メインでは男性が動く。

だから、健人さんのスーツに
香水の匂いが付くことは······



それが、誰の物であるのかを
知ることになるとは······
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