私の愛は···幻

🎹健人Side


父親の友人である
副島のおじさんの会社である
ソエジマリゾートが不渡りを
つかまされたらしい。

花奈が帰国して
副社長に就任していたらしい。

全く知らなかったが·······

アメリカで学んだ事を
次々にやり始め
手広くやりすぎたようだ。

おじさんは、昔から花奈に甘くて
黙認していたらしいが······

親父も祖父から受け継いだ時に
自分の思うようにやりすぎ
その時に助けてくれたのが
副島のおじさんだった。

大学一年の時だったから
俺も良く覚えている。

だから、親父から
「なんとしても助けろ。」
と、言われたが。
これは、やりすぎだ。

うちが資金だてしたくらいでは
どうにもならない。
出しすぎると
こちらが持っていかれる。

一応、当たれる会社はあたり
銀行にも融資の依頼もしたが
難しい。

毎日、毎日
堂基を動かしながら
ソエジマリゾートの為に動くが
親父と俺だけでは
一日、何時間あっても足らない。

帰って天音を抱きしめたいが
一度、そうすると
全てを投げ出してしまいたくなる。

花奈は
「私のせいでは無い。」
と、騒いでいたが
おじさんから
「いつまでも甘えていても
しかたないだろ。
ソエジマは、もう諦めた方が良い。
これ以上やっては
堂基にも迷惑がかかる。
泰人、ありがとう。
健人君、悪かったね。」
と、頭を下げるとおじさんに
「相馬。
もう少し、やってみては?」
と、父が。
「いや。
もう、二ヶ月、やっても
目処どころか、
先が全く見えない状態だ。
従業員を守る方に力を入れる。」
と、おじさんが言うと
花奈は、泣き出してしまい。

俺が、おじさんに
「任せて下さい。」
と、言って花奈を連れ出した。

花奈もアメリカの友人や会社関係に
毎日、あたっていた。
決して遊んでいたわけではない。

だから、飲みにでた。
花奈が
「シャングリ・ラホテルの
ラウンジに行ってみたい。」
と、言うから。
天音は、もう働いていないし
良いかと思った。
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