私の愛は···幻
9️⃣

🎹健人Side①


結局、天音と連絡がつくこともなく
会社に向かう。

ソエジマの件がなくなり
堂基の仕事だけになり
バタバタと仕事を片付けた。

退社時間になり
帰宅しようと準備していると
社長である父から呼ばれて
社長室へ

< コンコン >
と、中に入ると
父と花奈がソファーに座っていた。
「社長なにか?」
「ああ、健人座りなさい。」
「急ぎ帰りたいのですが。」
「時間は取らせない。」
と、言われて座ると
「花奈さんの事だが、
うちで働いてもらうことにした。
海外部門に。」
「えっ、花奈は、海外に行く予定では?」
「そのつもりだったけど
おじ様、いや、社長より
一度、堂基で勉強してからでも
と、言って頂いて。」
「そう言う事だ。良いな?」
「社長が良いのなら。
副島さんも、頑張って下さい。
それでは、私は失礼します。」
と、言うと社長室を後にした。

マンションに戻ると
リビングのテーブルの上に
結婚指輪、婚約指輪
天音の真っ暗携帯が置いてあった。

クローゼットを開けると
天音の服か無くなっていた。
天音の両親の物も
天音の日用品も。
ただ、俺が買ったもの
俺と一緒に購入したものは、
全て置いてあった。


俺は、シャングリ・ラホテルの
ラウンジに電話をするが
天音は、来ていないと言われた。

天音のピアノの先生である
岡本さんにも連絡をするが
ここ数日連絡を
取っていないと言われた。

俺は·····

 いったい·······

    なにを······
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