私の愛は···幻

🎹健人Side②


週末の間も天音を探す。

興信所にも依頼をして
探してもらう。

だが·····興信所から新たな情報はなく
週明け会社に行くと
大変な事が起きていた。

「副社長、大変てす。
    すぐ、社長室へ。」
と、総合秘書に言われて
「何があった?
ちょっとの事では
いまは、驚かないぞ。」
と、投げやりに俺は言いながら
社長室へ向かうと
社長室の中では
秘書達の中で父の怒号が聞こえる
「何が起こっているのですか?」
と、父に訊ねると
「お前は、何をやっていたんだ!!」
と、怒鳴られて
「だから、何が?」
と、健人も怒りで叫ぶと
「株が買い取られて
お前と私の持ち分だけになった。」
「えっ?」
俺と父親のだけ?
それでも50も無い

その上、
取引をしていた銀行も撤退。
堂基建設の大手の
下請け会社も撤退。
次々に撤退の連絡が入っている、と。

「どうしてですか?
今まで、うまくやっていたでは
ないですか」
と、電話で話している父。

秘書達もあちこちで
電話対応をしている。

いったい、何が、起こっているんだ?

そう考えていると
社長室のドアが
 < バーン >と開き
海外の方が次々と入って来る。

「あなた方は?」
と、秘書が訊ねる中 
「なんだ?お前達は?」
と、父が怒鳴ると
男性達の中から一際背の高い
男性が前に出てきて
『静かにしなさい。』
と、言う
「なにを」
と、言う父に対して
その男性は、ジロリと父を睨み
『私は、グロリア・アルフレッド
弁護士です。
堂基建設は、もう終わりです。
あなた方二人が持っている株は、
ただの紙切れと化しました。
それでは、あなたとあなた以外は、
外に出なさい。』
と、父と俺に残る用に言う

その男性は、俺と父親が
代表だとわかっているのだと
思った。

その男性の迫力と
10人はいる海外の方々の
迫力に皆、スゴスゴと社長室から
出ていく。

残った俺達は、
会議室に移動する。

会議室にも数名の海外の方がいて
パソコンの設定をしていた。

先程の男性が
『座って下さい。』
と、手と口で俺達に伝えた。

父は、イライラしながら
椅子に腰掛けた
その横に俺も座った。
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