私の愛は···幻

🎹受けとめる


『本当に、ヘタレで呆れていたけど。
やっとだな。アル。
でも、こんなヘタレで良いのか?天音。』
と、冷やかしながら部屋に入ってきて
告げる温斗に。
『ばかっ、温斗。
ヘタレ、ヘタレ、言うな。
自分が一番わかってる。』
と、言うアルに。
『温斗、いつもありがとう。
ヘタレでも、意気地なしでも
なんでも良いの
私は、アルが好き。』
と、伝えると
『意気地なし、は言ってない。』
と、言うから三人で笑った。

それから、私が結婚した時の
アルの荒れようを温斗が
赤裸々に語るから
本当に心配になると
アルは、私を抱きしめて
『もう、ないよ。
天音が、俺の妻になるのだから。
おばあさまや良さんや温子さんに
知らせないと。
と、俺の両親にも。』
と、言うとアルは部屋を出て行った。

温斗は、
『あいつなら、大丈夫。
本当にずっと、天音だけを
想って生きてきた奴だから。』
と、言うから
『ありがとう。
何もわかってなかった····私って·····』
『天音。あまねっ、大丈夫。
大丈夫だから、アルと幸せになれ。』
『····うん、うん····
温斗、いつもありがとう。
温斗がいてくれたから
色んな事に乗り越えられたの。』
『お前は、俺の大事な従妹だからな。
おばあ様もお前が大切で
可愛くてたまらないんだ。
幸せになって
おばあ様を安心させてやれ。』
『うん。うん。』
頭を撫でてくれる温斗
本当に優しい。

『はい、そこまで。
温斗、もう天音に気安く触らないで
俺の天音だから。』
と、言うアルに
笑ってしまい
『アル、温斗だよ。』
と、言うと
『温斗でも嫌なの。
それに温斗は、天音に近すぎる。
ずっと、天音のそばにいて。』
『お前が放置していたんだろうが。』
と、言う温斗に
『なっ····放置····して·····ない····』
『ヘタレ』
と、言い合う二人を見て
天音は、笑ってしまう。

アルと二人で、
おばあさまと良さん温子さんに
報告をした。

その席で
日本の事をきいた。

ウォルトン財閥?

おばあさまが?

まったく知らなくて
びっくりしている私。
温斗やアルは、知っていたみたい。

もちろん、両親も。
温斗の両親も。

私だけ知らなかった?

『おばあ様が黙っていたのは
 天音を守るためだったんだ。』
と、温斗に言われた。

それに、
『ウォルトン家に
   縛られないように
    そして、縛りたくないから。』
と、お祖母様は言われた。

私も 碧木 天音 で、十分。

堂基家や副島家の話を聞いて
びっくりしたり
そんな···ことが、と思わされたり。

でも、あの有名な弁護士の
グロリア・アルフレッドさんを
日本へ行かせる。

ウォルトン財閥の
ミロ大伯父様って いったい?

ミロ大伯父様は、
私の事をもちろん知ってらして
今回の事には、かなりご立腹で。
抹殺されなくて良かったと
言う話まで、でているが······

『抹殺より
生きて苦しめろ。』
と、大伯父様が言われたらしい。

『一文なし?
いや、マイナスだろうな。』
と、温斗は言って
『ああ、歯が何本か折れたかも
しれないが、殴ってきた。
あのバカ男を。
大伯父様の許可は貰ったからな。

警察を呼ぶと言ったから
呼べと言ったら
あの親父、逆に戸惑っていた。』
と、話す温斗の手を
びっくりしてみると
青く痣になっていた。

私の為に·········
と、思っていると
アルから手を取られて
苦笑いをしてしまう。

すると、おばあさまに
『温斗、全て話しなさい。』
と、言われて
嫌な顔をした温斗だったが
『あの女が、天音の事を
言うから、お前ごときが
天音を侮辱するんじゃない
と、服を持ち上げたら
苦しかったのか
意識が遠退いていたらしい。』
と、言う温斗に
私は、アルと繋いだ手じゃない方の
手で温斗を抱きしめた。

人を殴ったり、暴力をふるうような
人ではない温斗。

『ごめんね、私のせいで。』
と、言うとアルが
『温斗が優しいのは、
天音とおばあ様
良さん、温子さん、位だから。』
と、言うから
『えっ、そんな事?』と
おばあさまを見ると
おばあさまは笑っていて
温斗は、知らないと言う顔をしていた。

堂基家や副島家の
全てをきいても
気の毒だとか······
大丈夫かしらとか·····
思う事は、なかった。

私達は、近い内にミロ大伯父様の
元へ挨拶に伺うことに
< 37 / 65 >

この作品をシェア

pagetop