私の愛は···幻

🎹アル···なぜ


翌朝
『直ぐに帰宅しろ。』
と、温斗から連絡があった。

ウォルトン家の
プライベートジェットを使う。

ミロ様からだと·····

自宅に到着したのは夕方で
良さんに迎えられた。

良さんは、悲しい顔をしていたから
天音になにか
お祖母様になにかと·······

思っていると·····
いきなり温斗が現れて
“ドガッ”と 音と共に倒れる俺に
良さんが膝を付き
ハンカチを渡してくれて
口元を拭く。

温斗に殴られたのは、
    初めての事だ。

良さんに立たせて貰い
良さんの後を付いて行く

温斗の前を通る時
『ごめん。』
と、言うと、
顎を動かし“ 行け ”と。

良さんと共に部屋の前まで行き
良さんが小さくノックすると
少ししてドアが開き
温子さんが·····

温子さんは、俺に頭を下げてから
体を横にずらして
俺を中に入れた。

天音がベッドに寝ている。

奥にはお祖母様
お祖母様の横に小さなベッド·····

俺は······
········涙が溢れる······

天音の頬にキスをして
小さなベッドへ。

·····赤·····ちゃん···
 ······かわ·····いいっ········

口をモグモグ動かしている。

俺は、温子さんを振り返り見ると
温子さんが頷いたから。

上着を脱いで手を洗い
赤ちゃんをそっと抱く。

ライラの時と少し違う
『とても上手なお産でした。
天音様は、嬉しそうでしたよ。』
と、温子さんに教えて貰う

  涙が頬を伝う·······

『ありがとう。
本当にありがとうございます。
温子さん。良さん。』
と、赤ちゃんを抱いたまま
頭を下げる。

赤ちゃんをベッドに戻し
天音の手を握り
おでこにあて
『ありがとう。天音
一人で頑張らせてごめんね。』
と、言いながら
涙が止まらない。 

不甲斐ない旦那でごめん。
気にして体調悪くなったんじゃないか
 本当にごめん。
でも、信じて俺は天音が大好き
天音以外愛する事ないんだよ。

だが、俺の軽率差が招いた事だ。


目が覚めた天音から
要らないのか?
と、言われて······驚く

ありえない。ありえない。ありえない。
俺が、天音を必要としないなんて
もう、天音がいないと
生きていけないのだから····

天音が隣にいる生活を知ったから
天音が隣にいる喜びを知ったから
天音が隣にいる愛しさを知ったから
いないなんて、考えられない
いや、考えたくない。

もう一度きちんと
伝えようと思った時に
お祖母様が、声を発した。

体調が悪く眠っている事が多かった
お祖母様。

天音に言われて
みんなに声をかけた。
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