暴走環状線
「よし!これで私の目的は99%達成。お父さん、最期くらいは、そう呼んであげるわ。私の目的は、6歳の時に決めていた。いつかお父さんを、世の中から消してやるってね❗️」

「な…何だと…」

「6歳児が持つ目的じゃねぇ!」

「そして、こんな世の中が、少しでも清く正しい世界になります様にって。どう?少しは普通の少女らしいでしょ。アンタ達みたいな大人には、くだらないことなんだろうね…。もうすぐ、この録画と、今までの証拠と、もっと沢山の不正の証拠が、全報道関係社と警察に届く。この電車に乗っていない人達も、覚悟してなさい。コイツと関わったのが大きな間違いよ❗️」

「彼女…やはり死ぬ気だわ!」

「紗夜、出来たわ!」

これで繋がるはず。


「皆んなありがとう。頑張って生きてね❗️」

その笑顔を最後に映像が消えた。

「えっ、ダメよ!切っちゃダメじゃない❗️」
慌てるヴェロニカと昴。


電車の中に、アナウンスが流れる。

「皆さん、落ち着いて、出来るだけ前の車両へ移動してください。後ろ2両には残らない様にお願いします」

「土屋さん、本当に大変な役目をありがとうございました。戸澤さんを待っていてあげてください」

「いえ、私も一緒に」

「ダメです。私には死ぬ意味がある。あなた達には生きる意味があります。乗客の皆さんの誘導をお願いします」

涙の彼女の手を振り切り、義光を見る

「アンタは、子供を失うことがどれ程のものか、一生悔やんで生きろ❗️」

乗客の波に逆らって、最後尾を目指す。

途中、何人もが梨香を引き止める。
「死んではいけない」
「貴女は間違っていない」
「生きてください」

その全てを無言で振り切る。
自分でも驚く程の涙が溢れて止まらない。

(私でも…泣けるんだ…)

それがとても嬉しかった。
溢れ出る涙を、とても嬉しいと感じた。

(意外と普通なんだな…私も。ハハ)
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