悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
「キスまでしなくても逃げません……」
「そう?」
「そうです!大体、私はキス自体初めてだったんですよ!」
ユリアーネの言葉に、リーヴェスは不思議そうに目を瞬かせる。
「……君の前の男は、手を出さなかったのかい?」
「前の男……?居ませんよ」
(アンゼルム皇太子殿下は、コンスタンツェ様に夢中だったし……)
ユリアーネは遠い目になった。元婚約者は最早ノーカンのようなものである。
やや驚きの表情を浮かべていたリーヴェスだったが、すぐに気を取り直した。
「へぇ?それは良いことを聞いた」
その直後、リーヴェスはふざけていた雰囲気をパッと無くして、ソファーに座り直す。空気が変わったのを悟ったユリアーネも居住まいを正した。
「俺はね、婚約者と婚約破棄がしたいんだよ」
「婚約破棄……?」
「そう。別に婚約者とは恋愛関係にないよ。元々母親が俺に利があると結んできた婚約だ」
リーヴェスは立ち上がって、近くの棚からペンと紙を取ってくる。そして、書きながら口を開いた。
「このレームリヒト王国には、俺を含めて3人の王子がいる。俺が第一王子。そして、第二王子のコルネリウス、第三王子のヴァイス。全員母親が違うんだ」
「そう?」
「そうです!大体、私はキス自体初めてだったんですよ!」
ユリアーネの言葉に、リーヴェスは不思議そうに目を瞬かせる。
「……君の前の男は、手を出さなかったのかい?」
「前の男……?居ませんよ」
(アンゼルム皇太子殿下は、コンスタンツェ様に夢中だったし……)
ユリアーネは遠い目になった。元婚約者は最早ノーカンのようなものである。
やや驚きの表情を浮かべていたリーヴェスだったが、すぐに気を取り直した。
「へぇ?それは良いことを聞いた」
その直後、リーヴェスはふざけていた雰囲気をパッと無くして、ソファーに座り直す。空気が変わったのを悟ったユリアーネも居住まいを正した。
「俺はね、婚約者と婚約破棄がしたいんだよ」
「婚約破棄……?」
「そう。別に婚約者とは恋愛関係にないよ。元々母親が俺に利があると結んできた婚約だ」
リーヴェスは立ち上がって、近くの棚からペンと紙を取ってくる。そして、書きながら口を開いた。
「このレームリヒト王国には、俺を含めて3人の王子がいる。俺が第一王子。そして、第二王子のコルネリウス、第三王子のヴァイス。全員母親が違うんだ」